日本海の季節風が吹きつける信州の北端小谷エリア。ここは日本有数の豪雪地帯、知る人ぞ知るバックカントリーのメッカ。小谷村には純白の大斜面が広がる大渚山、雨飾山など小粒ながら魅きつけられる名山があり、近代登山の黎明期から多くの登山者が登頂に挑んでいる。小谷温泉から雪に埋もれた山麓のキャンプ場に向かい大渚山にアタック。起伏に富んだ樹林地帯を縫うように、南西方向に進むと左手に雪に埋もれた鎌池が見える。さらに積雪の斜面を登り続け左にまがると雪中に林道を見る。視野が大きく開け、正面に大斜面、斜面上部には、大渚山山頂がチョコンと貌をのぞかせている。林道を歩くこと約30分で湯峠、かつて日本海側の糸魚川から湯治客が小谷温泉にやってきた峠道で、遠く日本海が一望できるビューポイントだ。斜度が徐々にきつくなり積雪も増えてくる。変わりやすい山の天気に気をつけながら尾根筋を進み山頂に到着、そこは北アルプスや妙高・戸隠の峰々を見渡す大パノラマが展開する別天地だ。しばしの休息の後、山頂南側大斜面で標高差200mの滑走を満喫、雪面のクラストに気を配りながら尾根筋を下り、うんの平の雪原を越え山麓そして小谷温泉へと向かう。
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